「グリップを握手するように握る」は正しいのか?
グリップを握手するように握る、ということについて
バドミントンを最初に習う時に「グリップを握手するように握る」というアドバイスを貰うことは多いように思います
私も高校生の頃にバドミントンを始めた時にはそのように教わったような気がします
「グリップを握手するように握る」は正しいのか?
結論から言えばですが、間違ってはいないけれども、グリップを握手するように握る、という握り方では認識が不十分であり、ショットや場面によっては上手く打てないことに繋がることがあると思っています
そもそもグリップを握手するように握るというのはこういう握り方ですよね↓
このグリップであれば、フォアハンドのヘアピンなどの柔らかいショットであれば精度高く打てると思います
どういうことかと言いますと、私はグリップというのは目的に応じて握り替えるものであると考えており、真面目な人ほど、上記のような最初に教わったグリップで全てのショットを打とうとしてしまうのではないかと考えています
グリップを握り替える基準
先ほど、グリップと言うのは目的に応じて握り替えるものだとお伝えしましたが、例えて言うのであればグリップの握り方というのは車の運転みたいなものだと考えています
つまりどういうことかと言いますと、車を運転する場合、目的に合わせてギアを変えますよね
バックする場合にはバック用のギアに変えますし、止まる時にはその時様にギアに入れますし、マニュアル車の場合は速度に応じてギアを変速させていきますよね
バドミントンにおけるグリップの握り方も、この車のギアと同じように、目的に合わせて握り替えていくものだと考えています
そして、車においてはギアを変える基準と言うのは、バックするであったり、駐車するであったり、速度を上げるであったり様々な目的があるように、それはバドミントンのグリップの握り方においても同じで、握り替えるいくつかの目的と言うのは存在します
では、グリップを握り替える基準、その目的と言うのは具体的にどういうものがあるのでしょうか
親指の位置
一つ目は親指の位置となります
これは簡単に言えばフォアハンドグリップかバックハンドグリップかと言う違いであり、親指を伸ばして握るのか、あるいは曲げて握るかの違いとなります
フォアハンドグリップの場合が親指を曲げる握り方になります
次にバックハンドグリップが親指を伸ばす握り方になります
フォアハンドとバックハンドの握り替えなんて当たり前だろ、という感じの方も多いかと思いますが、ひとまず便宜上という形で解説させて頂きました
面の角度
次の握り替えの基準は、面の角度になります
面の角度ってどういうこと?という感じの方もいるかもしれませんが、これはどういうことかと言いますと、グリップを握って前に出した時に、床に対して面の角度が何度になっているかということです
一般的に言われるグリップの種類と言うのは、
- イースタングリップ
- ウエスタングリップ
になりますよね
念のため画像を貼っておきますと、イースタングリップが
こういう感じのグリップで、ウエスタングリップが
こういう感じのグリップになります
これを床に対する面の角度と言う視点から見てみますと、イースタングリップが床に対して90度の角度になっており、ウエスタングリップが床と平行、0度あるいは180度の角度であると言えると思います
この面の角度によるグリップの握り替えの種類が、イースタングリップとウエスタングリップしかないと思っている方、まだまだ甘いです笑
個人的にはこの面の角度によるグリップの握り替えの種類と言うのは、イースタングリップとウエスタングリップを含めて合計で6種類あると思っています
その種類をひとまず羅列しますと
- イースタングリップ
- ウエスタングリップ
- コンチネンタルグリップ
- セミイースタングリップ
- セミウエスタングリップ
- セミコンチネンタルグリップ
となると考えています
よくあるのが「バックハンドグリップで握る」となった時に、とりあえず親指を伸ばす(サムアップ)することだけ意識して、イースタングリップあるいはウエスタングリップで握っているという方って多いと思うんですよね
でも、私はバックハンドで打つ場合は、イースタングリップでもウエスタングリップでもない場合の方がほとんどだと考えています(そういう場合もあるとは思いますが、人によっては)
じゃあバックハンドってどういうグリップで握ればいいのかという感じになると思うのですが、バックハンドグリップと言うのは、基本的にはコンチネンタルグリップで握るのがほとんどではないかというのが私の考えです
コンチネンタルグリップの握り方と言うのは、イースタングリップが面の角度が90度、ウエスタングリップが0度とした場合に、その間の45度辺りで握るグリップとなります
厳密に言うと、フォアハンドのコンチネンタルグリップが30度ぐらいで、バックハンドのコンチネンタルグリップが45度ぐらいなのですが、ひとまずバックハンドで握るとした場合は、この面の角度をおおよそ45度としたコンチネンタルグリップで握ることをオススメします
このコンチネンタルグリップですが、フォアハンドとバックハンドでほとんど角度による握り替えが必要がないことがメリットだと私は考えています
セミイースタングリップ、セミウエスタングリップ、セミコンチネンタルグリップによって精度や威力が高まるショットがあるのですが、少し長くなってきたので申し訳ありませんがここでは割愛させて頂ければと思います
気になる方は私のレッスンを受けて下さい笑
手の中での位置
グリップを握り替える三つ目の基準ですが、これは「手の中でのグリップの位置」という基準となります
これはどういうことかと言いますと、言い換えれば「強弱によるグリップの握り替え」ということになります
つまり、スマッシュなどの強いショットを打つ場合と、ヘアピンなどの弱いショットを打つ場合でグリップの握り方を変えるということです
具体的な方法論としては、これは想像してみると割と分かりやすいのですが、例えばグーパンチなどの思い切り力を込めて行う動作の場合、どのように手の形がなるかと言えば以下のような形だと思います
指同士の間隔が詰まっており、それによってパワーが逃げることなく、より大きなパワーを発揮できるようになっているのだと思います
しっかりと拳を握るようなイメージですよね
それに対して弱いショットを打つ場合はどうなるかと言えば、
上の画像のような感じです
指同士の間隔は空き、指先で持つような感じになります
これは簡単な例えになりますが、とても壊れやすいものを持つ時にどのような手の形で持つのかを想像してもらえれば分かりやすいかと思います
身近な例で言えば、卵など分かりやすいかもしれません
卵を持つ時に、強いショットを持つように、手のひらの中心部分で卵を持つようにはしないですよね
どちらかと言えば、指先で優しく持つような形で卵を持つかと思います
これを、グリップの握り方に応用するという形になります
グリップを握る長さ
四つ目の基準、これが最後の基準となるのですが、これはグリップを握る長さによる基準となります
これは想像しやすいと思うのですが、簡単に言えばグリップを短く握るのか、あるいは長く握るのかという違いとなります
短く握ればドライブ、レシーブ、ヘアピンなどのコンパクトなショットの精度、コントロールが高まり、一方で長く握ればクリアやスマッシュなどの飛距離や威力、スピードなどが高まるということになります
これは個人的な好み的なところがあるのですが、選手によっては常にグリップを長く握ったままで、短く握ることはないというプレーヤーもいます
私は非常に面倒くさがり屋なので、そういう長さによる握り替えを行わずに、基本的に常に長く握っているプレーヤーです
それでも、速いと言われるようなプレーヤーのスマッシュには対応できていますし、前衛などの素早い処理が必要とされる場面でも困ってはいません
もちろん、そういう場面において短く握り替えることで精度などが高まるのだと思います
しかし、それよりも面倒くささの方が勝っているのかなと笑
単純に、握り替える余裕がないぐらいに不器用なだけなのかもしれませんが笑
まとめ
以上が、目的に応じたグリップの握り替えの基準となります
これまで「グリップは握手するように握る」という言葉を信じていた方には意外な内容であったかと思いますが、もしよろしければ今回の内容を踏まえてグリップの握り方を見直して頂けたら嬉しいです
嬉しいと言う限りは自信があるのかという疑問があると思うのですが、これまでのプレーやコーチングの経験から考えると間違いではないと思います
今回も最後までお読み下さりありがとうございました