新しいゼロポジションの定義とやり方について徹底解説

どうもみなさんこんにちは!

1月に入って益々寒さも深まってきましたね。

昨晩は布団が冷たすぎて、布団の外より寒くて眠れませんでした(笑)

さてさて、そんなこんなで本日も本題に入って参りましょう。

これまでに、フォアハンドとバックハンドのそれぞれのフォームについて、両腕の使い方からオーバーヘッド、サイドハンド、アンダーハンドと解説してきましたが、一点書き忘れていたテーマがあったので今回新たに記事を追加致します。

それは、ゼロポジションについてです。

このゼロポジションというテーマも、回内回外や両腕の使い方同様に重要なものとなりますので、ぜひ最後までお読み頂けますと幸いです。​

ゼロポジションとは?

ゼロポジションの起源

まず、「ゼロポジション何なのか?」ということについてです。

ゼロポジションという理論は、元は整形外科の分野において生まれました。

提唱者は、インド人の整形外科医であり大学教授も務めていたSahaさんという方で、以下の画像のように肩を挙げた際の位置を表しています。  

引用元:http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/7907/kikou/zeroposi.html

ゼロポジションの意味

ゼロポジションには2つの意味があります。

一つは、以下の画像のように上腕骨(腕の骨)が解剖学軸に一致する、つまり上腕骨の軸と解剖学軸が織りなす角度がゼロ度という意味です(右下の挙上140°)。

引用元:http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/7907/kikou/zeroposi.html

上記画像の白い線が上腕骨の軸を表し、黄色い線が肩甲骨の軸となっており、右下の挙上140°の場合に二つの軸が織りなす角度がゼロ度ということです。

二つ目の意味は、上腕骨が内旋も外旋もしていない、内旋外旋による物理学的な力が掛かっていないという意味で、ゼロポジションということです。

上記の2つの意味を考慮した上で、これまで医療の現場で処置が行われてきたようです。

簡単に言えば、骨折や脱臼、肩の鍵盤損傷などの治療の際に、このポジションを適用することで効果的に治療を行うことが出来るということになります。

ちなみに、これは後ほど重要な考え方になって来るのですが、ゼロポジションの位置に持ってきた場合、肩に余計な力が入らずリラックスした状態になっています。

だからこそ、肩回りの障害に対する整形外科的な処置に効果があるというわけですね。

これまでのゼロポジションのやり方

では、どのようにしてこのセロポジションの位置に肩を持ってくることが出来るのか。

そもそも、肩をゼロポジションの持ってきた際の、腕の位置としては、

  1. 脇の角度が140°になるように腕を上げる
  2. 腕を真横に出したところから前方方向に30°~45°移動させる

という位置になります。

その位置に肩を持っていく方法としては、椅子に座って頭の後ろで両手を組むことで実現できます。


引用元:http://ukyuu-rookies.com

これまでのゼロポジションが間違いであると考える理由

ここまでで一般的に言われているゼロポジションについて解説してきました。

しかし、私はこのゼロポジションの「用いられ方」が間違っているのではないかと考えています。

ただ、注意して頂きたいのは、私はゼロポジションという理論が間違っていると言っている訳ではありませんし、その概念を生み出されたSaha氏という偉大な方に心からの敬意を表します。

問題なのは、ゼロポジションという概念に対する、我々の捉え方と使い方なのではないかということです。

以下で、それについて詳しく説明していきたいと思います。

間違っていると考える理由 その1

私たちのゼロポジションの認識で恐らく多くの方が持っているのが、「ゼロポジションは最も力を発揮できる肩・腕の位置だ」というものではないでしょうか?(裏付けがないので憶測の域を出ませんが)。

しかし、先ほども申し上げたように、ゼロポジションというのは、「肩がリラックスした状態」なわけです。

それを考えると、そもそも最も力を発揮できる方法としてゼロポジションという概念を解釈し、そして用いようとすること自体が間違いなのではないでしょうか?

そういった意味で、ゼロポジション自体は間違いではなく、その理論の解釈と使い方が間違っているのだと私は考えています。

つまり、起源としては「障害を治療するためにリラックス出来るポジション」という観点から生まれたものなのに、いつの間にか「競技のために一番力が入るポジション」として誤解され、誤用されるようになったのではないかということです。

間違っていると考える理由 その2

次に、実際に各競技の選手たちが本当にゼロポジションでインパクトやリリースを行っているのかという観点から見ていきたいと思います。 ​

この観点から裏付けが取れれば、実際にプレーする時にはゼロポジションから外れている訳ですから、ゼロポジションを実際のプレーの中で用いることは不適切ではないかと言えるかと思います。 では、以下で見ていきましょう。

ゼロポジションの定義を再度確認すると、

  1. 脇の角度が140°になるように腕を挙げる
  2. 上腕を前方方向30度~45度の位置、つまり肩甲平面(スキャプラプレーン)の位置に持っていく

となります。 この定義を前提に、各種目のプレーヤーのインパクト、リリースの場面の画像を確認していきましょう。


引用元:http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/7907/kikou/zeroposi.html


引用元:http://tennis39.blog.fc2.com/


引用元:https://www.shikoku-np.co.jp

上に挙げた画像と言うのは、厳密な科学的な根拠としては不十分であるとは思いますが、私個人としては肩の位置は前方向30°~45°のスキャプラプレーンの位置ではなく、どちらかと言えば上腕腕の上のラインと両肩のラインが、おおよそ平行になっている位置にあるように思えます(多少の前後はあると思いますが)。

しかし、体が傾斜しているため前方向30°~45°の位置にあるように見えてしまい、これまでゼロポジションに肩の位置を持っていく事が最も力を発揮できるのだという誤解を生んできたのではないかと、個人的に考えています。

新しいゼロポジションのやり方

ここまでで、ゼロポジションという理論の解釈と使い方が間違っているのではないかという観点から解説させて頂きました。

しかし、「一番力を発揮できるポジションがゼロポジションでないのであれば、どこが一番力が発揮できるポジションなのか?」ということを考える必要があるのではないかと思います。

そこで、ここからは「本当に一番力が入るポジションはどこなのか」という観点から解説をしていきたいと思います。

先ほど少し書かせて頂きましたが、個人的には上腕の上のラインと両肩のラインがほぼ平行になった位置が、最も効果的に力を発揮できるポジションなのではないかと思います。

画像で説明するとこんな感じです↓

これを実践的な形にすると、腕をまっすぐ横に伸ばした状態で、体重移動によって体を傾斜させます。

先ほどのイチロー選手の画像がとても分かりやすいと思います。


引用元:http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/7907/kikou/zeroposi.html

そのため、外側から見た感じとしては、腕が色々な方向に出ているようにも見えるのですが、実際は腕の位置は体に対して真横に出ている位置からほとんど変わっておらず、体の傾斜具合が変わっているだけなのだと思っています。

そして、腕を真横に伸ばした位置というのは、胸筋と広背筋周辺の筋群が一番伸びる位置であり、つまりそれらの筋群が最も力を出力できる位置なのではないかと考えています(裏付けがなく申し訳ありません)。

また、腕の根元となる胸筋や広背筋周辺の筋群を使うことができれば、手投げ・手打ちになりづらいという意味で、肩や肘などの怪我防止にも役立つのではないかと考えています。

ゼロポジションのゼロという言葉が表す意味(肩甲骨と上腕骨の角度がゼロ、上腕骨の内旋と外旋がゼロ)から考えると、ここまで説明した肩のポジションについても、また別の意味でのゼロポジションという言い方を出来るのではないかと思います。

つまり、ここまでで説明した私が考える最も力を発揮できる肩の位置は、肩甲骨と上腕骨の角度はゼロではないけれど、上腕骨は内旋も外旋もしておらず、また上腕と体幹部がほぼ平行という意味では、ゼロポジションと言えるのではないかと。

その目的(一番力が入る)と、言葉の定義が少し変わっただけで、また別の角度から見たゼロポジションということです。

また、確かに骨格などの違いから一人一人ゼロポジションの位置は違うという考え方は、スキャプラプレーンから前方方向に肩を30度~45度内旋させるという定義から考えれば正しいと思いますが、私が考えるやり方であれば、恐らくほとんど全ての人についてゼロポジションの肩の位置がほぼ同じになって来るのではないかと思います。

新しいゼロポジションの理論が応用可能なスポーツ

この新しいゼロポジションという考え方は、バドミントンに限らず野球、バレー、テニス、スカッシュ、卓球、陸上など様々な競技に進展をもたらすことが出来るものではないかと考えています(大袈裟かもですが)。

スローイングやヒッティング動作を用いる競技であれば何でも応用可能かと。

そういった意味では、ラグビーやアメフト、バレーボール、剣道やラクロスなどにも言えるかもしれませんね。

もしよかったら取り入れてみてもらえると嬉しいです。

Youtube動画

まとめ

以上、ゼロポジションの定義から始まり、私が考える新しいゼロポジションの形について書かせて頂きました。

書いている私自身としても、主張に対する科学的な根拠において非常に不十分な仮説に過ぎないということは理解しています。

しかし、この考え方により、これまでのラケット競技等におけるヒッティング、スローイングの理論に対して新しい視点を提供できるのではないかと考えています。

今後も研究を重ねていく中で、何か新しい事実が分かりましたら追記していきたいと思います。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。

※フォームのやり方のまとめ記事はこちら↓

参考:フォーム上達完全マップ|フォームをマスターするための理論体系

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