どうもみなさんこんにちは。
いやぁ、最近本当に暑くて、しかも家のエアコンが壊れてしまっているんで、本当に生きるのがしんどいですw
でもこの経験を通して、クーラーを開発した人の偉大さと、その人たちへの敬意を感じましたねー笑
さて、今回も本題に入っていきましょう。
これまで、フットワークについては概論から始まり、「構え」、「リアクションステップ」と記事を書いてきました。
今回は、フットワークの三番目の要素に当たる「動き出し」について解説していきたいと思います。
お付き合い下さいましたら幸いです。
「動き出し」とは何か?
これまで出版された様々な書籍や、ネット上の記事や動画を見てみても、動き出しの重要性とその正しいやり方はあまり語られないように感じています。
動き出しはフットワークにおいて恐らく最も重要な概念であり、コーチングさせて頂く中で多くの方がつまづきやすいポイントだと感じてきました。
ちなみにですが、動き出しの一歩目を出す動作というのは別名でプッシュオフと言います。
また、動き出しがちゃんとできれば、その後の打点までの移動は特に意識しなくても出来ると私は考えています(移動の際の脚の運び方は複数ありますが、それはあまりフットワークが出来る出来ないにかかわってくる問題ではないと個人的には思っています。もちろん知っていくことは重要だと思いますが)。
よくある間違った「動き出し」のやり方
ここでは、コーチングを行う中で見かけてきた間違った動き出しのやり方を解説したいと思います。
1.ジャンピングリアクションステップをした時に、行きたい方向に両足を向ける
この方法は、まずはリアクションステップでジャンプをして、空中で両足が向いている方向を調整することで着地した際には進行方向に進みやすい下半身の形となっているという方法です。
私はこのやり方を見るたびに「器用だなぁ」と思うのですが、空中で瞬間的に判断して両足の形を作るわけですから、フェイントを掛けられた時なんかは空中で止まっている必要がありますし(笑)、あるいは複数回ジャンプしないといけない場合も出てくるやり方だと思います。
※ジャンピングリアクションステップについて知りたいという方は以下の記事をご覧になって下さい
【バドミントン】リアクションステップのやり方を徹底解説
※動画は後日掲載します
2.走るように行きたい方向側の脚を持ち上げるように動き出そうとする
このやり方も、よく見かける間違った動き出しのやり方になります。
走るのが得意なような、他のスポーツでこれまで頑張ってきたという背景がある方に多いやり方だという印象があります。
この動き出しのやり方の特徴としては、動き出す際に走るように進行方向側の脚を持ち上げて動き出そうとします。
やってみると分かりますが、物凄く力みが発生しますし、実は昔の私もこのやり方になっていました苦笑
そのため、自分で分かっていなかったのですが、一生懸命動いた時の体力の消費量が激しすぎましたね。。
※動画は後日掲載します
正しい「動き出し」のやり方
では、正しい動き出しはどのように行えばよろしいのでしょうか?
ポイントとなるのは、
「体重移動」
という考え方です。
ここで言う「体重移動」とは、構えている時に真ん中に置いた体重、あるいうはショットを打った後に移動した体重や、移動しながらジャンピングリアクションステップを行った際に移動した体重を、右足あるいは左足へ移動させることで、動き出しの一歩目を出すための反動をつける動作のことを表します。
文章だけで少し分かりづらくなってしまったため、実際に動画で確認してみましょう。
※動画は後日掲載致します。
この「体重移動」は、フォア前、バック前、フォアサイド、バックサイド、フォア後ろ、バック後ろのそれぞれの進行方向に対して(厳密にいえば前と後ろという方向もありますが、上記の6方向への動きが出来れば応用で出来るので割愛します)、
(1)進行方向側の足が逆側の足に対して前にある場合
(2)進行方向側の足と逆側の足が平行になっている場合
(3)進行方向側の足が逆側の足に対して後ろにある場合
の3つ場合を掛け合わせると、合計で6×3=18パターンの動き出しの一歩目の出し方があるということになります(前後を加えたら24パターン)。
動き出しはあまり重点的に語られない概念であるにも関わらず、これほどの数のバリエーションがあるわけですから、それは動き出しが出来ないだけでパフォーマンスに大きな影響が出ることは想像しやすいのではないかと思いますし、動き出しが出来ないことでフットワークが上手く出来ていない方が多いのも理解出来るのかなと思います。
「動き出し」の練習方法
ここからは、先ほど解説した正しい動き出しのやり方をどのように身に着けていくか、つまり練習方法について解説していきたいと思います。
先ほど、
- フォア前
- バック前
- フォアサイド
- バックサイド
- フォア後方
- バック後方
の6方向に対して、それぞれ
(1)進行方向側の足が逆側の足に対して前にある場合
(2)進行方向側の足と逆側の足が平行になっている場合
(3)進行方向側の足が逆側の足に対して後ろにある場合
があるということをお伝えさせて頂きました。
つまり、全部で「6×3=18パターン」の動き出しの場合があるということになります。
ステップ① 一場面ずつ練習する
一つ目の練習方法としては、それぞれの場面一つだけを絞って、動き出しの一歩目を出す動きを反復して行う。
例えば、「フォア前において進行方向側の足が前に出ている場面」を選択したとしたら、その場面での一歩目の動き出しを10回×3セット、体の使い方をひたすら意識して脳と体に刷り込んでいきます。
これを18パターン全て練習するのもいいですが、辛い場合はその時の気分で選ぶのでもいいと思います。
※動画は後日掲載します
ステップ② ランダムに練習する
次のステップとなる二つ目の練習方法は、18種類の動き出しの中から、自分の中の意識でランダムで選択してフリー形式で連続で練習する、つまりどの場面を練習するのかという意識をあまり持たずに、瞬間的な判断で場面を選択して動き出しを行うという練習方法になります。
あるいは、二人一組で指示出しフットワークのように、構えた状態から支持された進行方向への動き出しの一歩目の動きを行うという方法でも良いですし、そちらの方がどの場面を選択するという処理を相手に任せることが出来るため取り組みやすいかと思います。
※動画は後日掲載します
ステップ③ フェイントを取り入れて練習する
最後のステップとなる三つ目の練習方法は、(1)自分一人でやるのであればフェイントに掛けられたことを想定して、(2)ペアを組んでやるのであれば指示を出してもらって、一回あるいは複数回フェイントを掛けて(掛けられて)、フェイントに掛かった(掛けられた)方向に一回あるいは複数回、動き出しの一歩目のステップを出すという練習です。
フェイントの回数は一回でも複数回でもいいですし、動き出しのパターンだけでなくフェイントの回数も毎回ランダムで行った方が効果的に練習出来ると思います。
※動画は後日掲載します
新しい体の動き方を覚えることについて
何か新しい体の動きを覚えるやり方としては、ひたすら脳を意識的に使って、これ以上脳が考えられないというところまでひたすら動きを反復することが効果的だと考えています。
表面的に動かすのは体ですが、私は何か新しい体の動きを覚えるという場合は、どちらかといえば頭脳労働だと考えています。
このやり方で新しい動きを覚えようとするとかなり脳が疲弊しますので、新しい動きを覚えようとする行為はそれほど脳のエネルギー消費量が大きいということではないかと思います。
なぜ間違った動き出しのやり方になってしまうのか
そもそもの間違った動き出しに繋がりやすい原因として、「相手が打った瞬間に進行方向に動き出さなければいけない」という誤った認識があります。
この認識があるから、ランニングのような動き出しや、 テニスのスピリットステップのようなジャンプして足を入れ替えてからの動き出しのやり方が癖になってしまっている例は本当に多いと、これまでのコーチングの経験の結果として感じています。
これらは大きく間違った認識であり、本質的に考えればバドミントンというのは駆け引きを行う競技であるため、レベルが高くなるほど相手がどこに打ってくるのか予測して、相手が打った瞬間にその方向に動き出すことは非常に難しいことだと言えます。
一度、あるいは複数回のフェイントを混ぜたショットであれば、複数回逆方向に動き出そうとして足を出してしまうことだってあるはずです。
この事実を考慮すると、先ほど解説した3つ目のステップの、フェイントに掛けられたことを想定して動き出しを行う練習は非常に現実的で有効なものとなります。
実際のフットワークのイメージとしては、最初の動き出しで、時にフェイントに掛かりながら、あるいは相手が打った後にシャトルが飛んで行った方向を見極めて遅れたタイミングで、動き出しを行うというやり方が正しいと考えています。
このような点を考慮すると、動き出しが遅れてもいいという認識を持つことが重要ではないでしょうか。
より具体的に説明すると、フットワークというのはホームポジション(プレーイングセンター)で動き出しの一歩目を出すために少しバタつくようなイメージでいいので足を細かく動かして、一歩目を出したら後はその勢いに任せて進行方向にスムーズに動いていくというイメージとなります。
まとめ
これまで、「構え」「リアクションステップ」、そして今回「動き出し」と解説してきて、毎回言いますがフットワークというのはあまりノウハウが出回っていませんが、身につけなければいけない情報量というのは実はかなり膨大であることが理解できるかと思います。
今回の記事の中でお伝えしたように、動き出しのやり方は非常に重要な要素であり、本当に多くの方がつまづいているポイントですので、この記事をきっかけに、そのように苦しんでいる方々が少しでも減ることを祈っています。
今回も最後までお付き合い下さり誠にありがとうございました。
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